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歯車って何だ?What's "The Gear"?

歯車とは

「歯車」とは、動力伝達を行う重要な機械要素で、減速や増速、回転軸の向きや回転方向を変えたり、動力の分割などに用いられます。「平歯車」「はすば歯車」「かさ歯車」「内歯車」「非円形歯車」など、用途に応じて歯車の種類は様々。時計や電子機器に使われる小さなものから、自動車、産業機械、プラントなどに用いられる大きなものまで、歯車は世の中にある多くの機械に広く活用されており、動力伝達の普遍的な機構として文明社会の根幹を支えているといっても過言ではありません。

歯車の歴史

歯車の歴史は紀元前にまでさかのぼり、エジプトやローマなどで水を汲むための装置に用いられたのが始まりだといわれます。やがて発明される時計や天文計算機などにも使用されるようになり、15世紀後半のルネッサンス期には、万能の天才として知られるレオナルド・ダ・ヴィンチが現在使われている歯車の原型の多くをスケッチで描いています。

▲レオナルド・ダ・ヴィンチが残した歯車装置のスケッチ

歯車の進歩は、「時計」の発展と密接な関係がありました。時計に精度が求められるようになると、動力となる歯車の正確さが重要となってきました。これによって歯形の研究が大きく進んでいくことになります。18〜19世紀の産業革命を経て、本格的な機械工業の成長とともに歯車の技術も飛躍的に向上しました。歯車の歯形は、時計や天文計算機など精度が要求される「サイクロイド歯形」と、大きな動力を効率よく伝達させるインボリュート曲線を用いた「インボリュート歯形」という2つに分類されていきます。とりわけ大型の産業機械が次々に生み出された産業革命の背景には、インボリュート歯車の存在が欠かせませんでした。
近年は工作機械による高精度な加工やコンピュータによる検査・解析技術が進み、ミクロン単位の精度での歯車の製造が可能となり、より高効率・高耐久な歯車の追求が続けられています。先人たちの改良と工夫を繰り返しながら時代と共に発展した歯車は、私たちの便利な生活を支えてくれる、まさに縁の下の力持ちなのです。

▲インボリュート曲線(円の伸開線)
▲歯形にインボリュート曲線が
用いられたインボリュート歯車